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このような問題を改善するために、「地上部の歩道や建築外構舗装の利用に耐える硬さをもつ構造」と「樹木の根系が多方向に多数伸長できる土壌環境」という、相反する条件を同時に満たす根系誘導耐圧基盤「パワーミックス工法」の開発を行いました。
火山砂利や砕石など30~40mm前後の単粒度骨材に、乾燥腐植、無機物、有機物、肥料その他を混合した 「生育助材」を、適量の水と一緒に混合して、付着させることで基盤を生み出します。
具体的な手法としては、問題となる根域部分の土壌を掘り取り、根の切断、あるいは治療を行った後で「パワーミックス」を基盤として投入します。根の侵入を防ぐ必要がある場所には「防根忌避シート」で遮断をすることで、根の伸長を下方に誘導します。
- ● 環境状況と樹林規格樹種によって必要なパワーミックスの量を計算します。
- ● すっきりとした美しいまちなみを創造するため、地下支柱の併用をおすすめします。
- ● 樹木の生育に適した土壌にするため、土壌改良材の併用をおすすめします。
- ● 施工する時、樹木医の立会いをおすすめしています。
- ● 根を切断した場合は、殺菌剤の塗布が必要です。
- ● 施工する時は、根を乾燥させないように配慮します。
- ● パワーミックス基盤上の路盤はクラッシャランの使用をおすすめします。
(RCによるアルカリ化を防止するため)
根の周辺土壌をほぐし、スコップで掘削し、根系域を明らかにします。その時にエアースコップ(空気圧土壌ほぐし器)を用いると根系を傷つけずにすみます。
生育・支持に重要と思われる太根および多少の細根は残し、適切な箇所で正しく切断し、切断面に殺菌剤塗布処置を行います。また作業中は根が乾燥しないよう、十分な養生を行ってください。
根系誘導耐圧基盤「パワーミックス」を路床部に充填し、転圧後に路盤を形成します。根の侵入を抑えるために、防根忌避材「ルーツストップ」を使用するとより効果的です。
舗装材によって現況に復元、もしくは新しく施工して完了となります。