コンポスト化における発酵温度と発酵期間
大規模堆積型発酵槽
素材を、日本の伝統的な食品へと導く重要な役割が「発酵」です。この発酵過程の良し悪しは、その後の性質を決定づける大きな要因ともなります。それはコンポストづくりも同じです。株式会社ピラミッド・栃木工場長「大石芳隆」の一番のこだわりも、「発酵」にありました。
それは、原料となる下水汚泥の性質が毎回異なることです。原料受け入れは、関東から東北まで、40ヶ所以上に及んでいます。しかも色や水分量も、性質も日々バラバラ。それを工場長以下13名のスタッフが安定したコンポストに仕立てていくのです。
確かな品質に欠かせない「発酵」。その「発酵」を促すために、丹念に切り返しを行い、5次発酵まで十分熟成させます。ポイントは切返しのタイミングと発酵温度。高温での発酵により、病原菌・病虫害を含まず、悪臭やべとつきのない使いやすいコンポストが生まれます。品質を確認するため、毎日20ヶ所で性能チェックも行います。
[工場長の一言]
モノづくりだけでなく周辺環境にも配慮しています。ニオイがつかない車の受け入れ方法の確立から、工場内排水そして廃棄物のゼロ化まで。目標は、女性がハイヒールで見学できるようなクリーン工場にすること。その実現は近いと思います。
下水汚泥(下水ケーキ)の受け入れ
発酵状況
切り返し作業
自動梱包機による封入
通常、発酵下水汚泥コンポストは、原料の下水汚泥を堆肥化させるために、強制的に空気を送り込み発酵を促します。その際、原料が泥状になっているため、通気が行われにくく、副資材として通気性が高まる「もみがら」や「おが屑」を約30%程度混入し、水分調整を行います。 しかしエコンポエースは、副資材を入れる代わりに、十分熟成したあとのコンポストと再度混ぜ合わせることにより、肥料効果を落とさず、水分調整を行います。そして5回以上の切返しによって高温発酵させ、熟度の高い製品を生み出しています。副資材を利用しないため、肥料成分が従来品より富んでいることも大きな特長です。品質を高めるため、そしてより多くの下水汚泥を処理するために、この副資材を用いない手法にこだわっています。
発酵下水汚泥コンポストの原料となる下水汚泥(下水ケーキとも言われています)には、高分子系凝集剤を使用して処理したタイプと、石灰を活用したタイプの2種類があります。石灰処理汚泥では、多量の石灰を用いるので処分汚泥の嵩が増えます。そのため、近年下水処理場では高分子系の利用が増加しており、高分子系下水ケーキを用いたコンポストの活用が望まれています。しかし高分子系は、石灰系と比較して含水率が高く、空隙率が低いなど堆肥化は一般に困難とされてきました。
エコンポエースは、発生量の多い高分子系原料を利用していますが、度重なる改良によ り、石灰系発酵下水汚泥コンポスト以上の品質になっています。
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